Profile

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学歴
  • 私立女子学院中学校・高等学校卒業
  • 北海道大学農学部畜産学科卒業・修士課程修了
  • 筑波大学生命環境科学研究科 生命産業科学専攻 博士後期課程単位取得退学。博士(学術)
受賞
  • 日本化学連合 化学コミュニケーション賞2021 「家庭でできる科学実験の普及活動」
  • 日本サイエンスコミュニケーション協会 2021年度奨励賞
  • 日本科学教育学会 平成25年度 科学教育実践賞
    尾嶋好美(筑波大学生命環境科学研究科)及び筑波大学SSリーグ運営委員会
    「大学が高い研究意欲や能力を有する児童生徒を育成する科学教育実践」

町工場の娘が科学教育の専門家に

虫が好きでした

私は、東京都の下町にある町工場で生まれ育ちました。

幼い頃、自宅の前には原っぱが広がり、毎日のように虫取りに熱中していた記憶があります。自然の中で遊ぶ中で、「なぜ?」「どうして?」と不思議に思う気持ちが、少しずつ芽生えていきました。

進学予定だった地元の公立中学校は、当時とても荒れていたため、両親に頼んで中学受験を決意。人生で一番勉強した時期だったと思います。

入学後、私にとって「大学に進学するのが当たり前」ということは衝撃的で、いわば人生最初のカルチャーショックでした。女子校で、理系の先生方もほとんどが女性だったこともあり、私にとって理系進学はごく自然な選択でした。

科学教育へ、舵を切る

修士課程では、食品科学の研究に取り組みました。でも、研究室で過ごすうちに「自分は研究者としては向いていないかもしれない」と気づくようになりました。それでも科学への関心は失われず、“科学を伝えること”にこそ自分の居場所があるのではないかと考えるようになったのです。

その後、夫の留学に伴って渡米。現地では、日本語補習校でアルバイト講師をしながら、アメリカの教育現場を垣間見る機会に恵まれました。

そこで出会ったのが、算数好きの子どもたちのための大会「Math League」。“好き”を軸に子どもたちが伸びていく教育のあり方に、強く惹かれました。

USCPA(米国公認会計士)試験に合格した後は、現地の不動産金融会社に就職し、日本支社立ち上げに関わりました。帰国後もその会社で働き、中小企業診断士の資格も取得しましたが、やはり「科学教育に携わりたい」という思いを断ち切れず、思い切って退職しました。

2008年からは、筑波大学で科学に強い関心がある小・中・高校生のための科学教育プログラムの企画・運営を15年間にわたって担当。学校では浮きがちの生徒たちが、同じ熱量で科学に打ち込む仲間と出会う場を作ることができました。

500名以上の生徒の研究支援を行い、うち6名は国際科学コンテストに日本代表として出場しています。

子育てと執筆

子育てする中で、「もっと家庭の中で、気軽に実験できるようになったらいいな」と思い、科学実験本の執筆を始めました。

そして、息子が小学校に入学した年、私も社会人博士課程に進学。科学教育分野で学位(博士・学術)を取得しました。

(2022年に高校で新教科になった「理数」についての意見はこちら

2023年に筑波大学を離れた後は、執筆活動や科学実験教室の開催に力を注いでいます。

科学実験は、「正解を知るための手段」ではなく、「問いを持ち、考える力を育てる学びの入口」だと私は考えています。これからもその入口を広げていきたいと思っています。

くわしい経歴は朝日新聞AG首都模試UNKNOWN WORLDで取材していただきました。